宇井かおりさんのアコースティックライブ“歌霊(うただま)”に行って きました。
 プレイガイドでの扱いがなく、「ぴあ」には1週間分のスケジュールしか 載らない上、FCで告知があったのかどうかは知りませんがこれまでライブに 参加したことがある人にDMが来た訳でもないので、知らない人が多かったと 思われます。宇井さんらしいひっそりとしたライブでした。開場時には20人 ほど、開演時には50人、最終的には60人くらいの客数だったと思います。
 ステージ中央には、箱に布をかけただけというような椅子と譜面台、右に ギター左にピアノがありました。

 19:20を過ぎた頃にスタッフによってステージ上の3本の蝋燭に火が灯され ました。お店の人が「静かだ」とつぶやくくらい静かな状況で開演を待ちます。 19:30になり宇井さんとギターの男性が登場。
 宇井さんは髪をアップにしていて、茶系の和服のような合わせの服に黒い パンツ姿でした。

 MC 「暗くてよく見えない…」「皆さんようこそおいで下さいました。(客が)
  二人だけとか、そんな感じだったらどうしようかと思っていました」
 1. エンドマーク
  マイクスタンドは座って唄えるように置いてありましたが、マイクを持ち
  ギターの演奏のみで唄いました。
 MC 「改めまして、今晩は。飲んでますか?」
  今回は“歌霊”というタイトルで、唄のパワーをどれだけ伝えられるかを
  試したいと思っている。これからも続けていきたい。
  ギターは かくしょうた さん。
 2. 失恋記念日
 3. しゃぼん玉
 4. Destino
  少し鼻にかかった唄い方をしていました。
 MC 「デビューして4年目なのか4年経ったのか、数えていないのでよくわかり
  ませんが、東京に来てからあっと言う間だった気がします」
  先日実家に帰ったところ、父親に「なんだ、青白い顔をして」と言われた。
  子供の頃は畑を駆け回っていたけれど…。父親に「山の中引きずり回しの刑」
  に処せられた。軽トラで山に行き、道も無いようなところで“かわたけ”と
  いう茸取りをした。父親は山男なので、茸の有る場所がわかる。感という事
  らしいけれど、言われてみれば自分も子供の頃は“たらの芽”の有る場所が
  すぐにわかった。山に行っていないとわからなくなる。
  取ってきた茸は母親が鼻歌混じりに料理をしてくれる。母親は「今日は
  コロッケ…」といった歌を唄っていて、それを聞いてその日の献立がわかった。
 5. 赤とんぼ(唱歌)
  宇井さんのピアノ弾き語りでした。
 6. 木枯しの便り
 7. 流行り歌のように捨てられて
 MC 一人で部屋にいるとこんな(とても淋しい内容の)曲ばかり出来る。一晩中
  こんな曲ばかり書いて楽しんでいる。こんな曲ばかりだと、お客さんの中には
  落ち込んで帰ってしまう人がいるかもしれない。でも続々とこのような曲が…。
  本当なら今ごろ、お客さんはベロベロに酔っていて、寝てしまっているんじゃ
  ないかと思っていたんですが…。
  一人暮らしをしていて、一人でいるとこのまま地球の塵となって消えてしまう
  のではないかと思う。
  今住んでいる部屋は102号室で、隣の103号室のあやちゃんと知り合いになった。
  何かあったら助け合おうと約束して、隣の部屋なのに毎日のように電話して
  いる。いい匂いがしているとお皿を持って訪れたり、ゴキブリが出たと
  言ってはほう酸団子を分かちあったり、ネズミ取りをくれたり…。
  落ち込んでいるとき、そんな彼女が詩を贈ってくれた。ヘルマン・ヘッセの
  「困難な時期にある友だちに」という詩(ここでその詩を朗読しました)。
 8. 君が淋しいというのなら
  サビでは短めに切るような唄い方をしていました。
 MC 「次は大好きな友だち、愛する人のことを唄った歌です」
 9. DOOR
  少し太めでしっかりとした唄でした。
 MC 「これ、つけ毛なんです。毛糸ですけど」と頭に付いている茶色の毛糸の
  説明。前髪の方が薄くなっていて心配している、ということも話していました。
  「人の歌を唄うときは他人の服を着るように違和感があるのですが、
  『DOOR』を書いた早川美和さんの詩は極上の服です」
  次も早川さんの曲で、練習してきました。
10. Blue Gray
 MC 「あっと言う間に最後の曲です」「(曲を)忘れていないよね?」と かく
  さんに聞いていました。
  「疲れたときは歌霊。地下で何かやっているぞ、というようなイメージは
  初めからあった。『密会』とか『誘蛾灯』、『蝋燭の会』、『灯火』と
  いったタイトルを考えたけれど、『言霊』という言葉から『歌霊』という
  言葉にしようと決めました」
  また次回がある事を期待しつつ…。
11. 帰ろう

 ここで本編終了。20:40でした。アンコールとなります。

E1. POWDER LOVE
 MC 「もう1曲やってもいいですか」
E2. Country Road(ジョン・デンバー)
  にこやかに唄っていました。
 MC 「ありがとうございました」

 終了は20:50でした。宇井さんが言うように、秘密の隠れ家のような内容だった と思います。特に「木枯しの便り」はジーンと感じるものがありました。
 最近、飛行機事故でジョン・デンバーさんが亡くなったのはちょっとショック だったのですが、ここでの「Country Road」の選曲には、宇井さんの深い思いが 込められている気がしました。それだけに、笑顔で唄っていた彼女の強さのよう なものが感じられる唄でした。
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copyright かみと,1997