素晴らしい、その一言に尽きます。これぞsinonさんです。実に素晴らしい。 まだ今年は3ヶ月も経っていませんが、今年のベストライブの有力候補です。 関東でのsinonさんの正式なライブは95/12/7の渋谷クアトロ以来になります。 ファンが待ち望んでいた久々のライブです。雑誌「ザッピィ」の招待ライブなので 1時間程度でさらっと終わってしまうのかと予想していたのですが、良い意味で 見事に裏切られました。

 まずは余談から。こんな貴重なライブは仕事を休まなければいけない、という ことで、万全の体勢でライブに望むことにしました。会場着15時。早すぎます。 しかし隣のOn Air EastやOn Air Westにはお客さんが既に集まっていて(ちなみに EastはFANATIC CRISIS、Westはフラワーカンパニーズ、共にチケットは売りきれ) ダフ屋まで出ていました。女の子のファンが集結する様子を眺めていましたが、 さすがに居心地が悪くなってきました。たまたま出てきたNESTの人に入場順に ついて訊いたのですが、良くわからないとのこと。仕方がないのであちこち うろうろしていました。結局今回も入り待ちに失敗した訳です(^_^;)。もっと 早く行かないとダメだったのかもしれません。
 17:30にNESTの6階部分が開場なるので、ほぼ同時刻に行ったら、先ほどの店員 さんから「まだです」とのつれない返事。仕方がないのでさらにあちこちうろうろ していました。18時を過ぎた頃に6Fに上がっていこうとしたところで、さらに 偶然同じ店員さんがエレベータに乗り込んできたので、「開いてますよね」と 訊いたりして。今にして思えば先日ライブを見たTAMUさんだったような…。
 ステージのある5階が開場になるのは18:30だったので、しばらく6階で待つこと になります。とりあえず座れるし、下は女の子でいっぱいなので、しばし休息。 その間にスタッフに入場方法について尋ねると、「書いてある整理番号順です」 とのことだったので、今更慌てても仕方がないと思い、くつろいでいました。 いつもならドリンクチケットを6階で交換してしまうのですが、今回は入場時に ドリンク代を払う形だったので、それもできませんでした。そして時間通り開場 したときは整理番号など関係ありませんでした。今まで待ったというのに…。 しかし開場時間に集まっていたのは20人くらいでしょうか。なんとか最前列やや 左をキープ。開演時間が近づくにつれて人が集まってきて、オールスタンディング の会場は賑わっていました。

 15分ほど遅れてsinonさんが登場。サポートはBs,Key,Dr,Key,Gtでした。 sinonさんは花の模様の入った赤いブラウスに白の上着、つぎはぎのジーンズ、 少し高さのある赤いスニーカーという姿でした。

 1. 夢、きっと〜REACH〜
    深々とおじぎをしてからアコギの伴奏に併せて唄い出します。絶好調です。
    声も良く出ていて、何の問題もありません。少しずつバックの音が重なって
    きて、アメリカンロック的な壮大さが出ていました。sinonさんの声はバック
    の演奏に負けていません。「これぞボーカリストだ」と思えるスタートです。
 2. Snow On The Moon
    さらにパワーを増してきます。サビの声の伸びは抜群。途中で"Chu chu chu.."
    とお客さんにも唄わせようとしたりして、ステージと客席の一体感も出て
    きました。後半のフェイクもなかなか。
 3. Crazy 'bout U
    ゆったりとしたKeyのイントロで始まります。弱めに唄うと不安定だった過去の
    ことなどどこかにいってしまいました。リズムが変わったところで手拍子が
    起こり、ライブ前半の盛り上がりポイントとなります。強めに唄うと勢いだけ
    になってしまっていた過去のことなどどこかに…。途中で長めのブレイクが
    あって、拍手をひとしきり盛り上げた後に再び曲に戻る構成。

 MC 「こんばんはー。ようこそ、風も強いのに」「前の(お客さんの)迫力に
    押され気味なんですけど(笑)」「私のライブが初めての人も半分くらいいる
    ようなので…まぁこんな感じで」
    ここでザッピィの招待ライブであることを言って、応募してきた葉書をちゃん
    と読んだという話。応募者には北海道の人もいたそうです。“興味を持った
    ところは?”という質問に「セリーヌディオンのこととか、あとは…(どうやら
    忘れたらしい)…そうなんですよ(笑)」その様子を見ていた女性客から
    「かわいい」の声が上がると「そんな…」と照れながら思いだしたようで、
    葉書の中には「顔」というものもあったとか。sinonさんはその場で飛び跳ね
    ながら、後ろの方のお客さんにも顔を見せるようにしていました。2週間
    くらい前にNESTの下見に来たそうですが、誰のライブを見に来たのでしょうね。
    「ずっと立っていると疲れるから、体を動かしながら見て下さい」と体を
    動かしながら言っていました。

 4. MIRAGE
    ミドルテンポのせつないニューミュージック系メロディーライン。sinonさん
    は間奏でリコーダーを演奏していました。

 MC 住んでいたときには気付かなかった沖縄の良さについて。「泳げない私が
    東京で泳ぐ練習して、沖縄で初めてシュノーケリングをした」その時の海
    とか、地元の人たちとか、好きな人のことを思い出す。
 5. 海の匂いがする
    郷愁を誘います。前半の本島さんのコーラスがまた良い雰囲気です。女声
    が加わったことで優しさを増した感じです。後半になるに連れて唄い方も
    強くなり、徐々に決意が強くなっていくようで歌詞と合っていました。

 MC 「ベルトをしていないから」とジーンズをずり上げながら話し出すsinonさん。
    ときどきおなかがのぞいています。高めの椅子が用意されて、そこに座り
    卒業シーズン、春休みで良い季節という話をしていました。
    次の曲につなげるべく、学生の頃にこの季節にやっていたバイトについて
    メンバー紹介を兼ねて訊いていました。Gtのバビさんは新聞の世論調査
    だそうで、「実は嫌がられる」とフォロー(?)するsinonさん。Keyのいがらし
    さんは飲食業。Drのおくださんは新聞配達。Bsのスティングさんは居酒屋。
    Keyの本島さんは保育園で保母さんのアシスタントみたいなことをしていた
    そうです。「大きな栗の木の下で」を唄い出したりして。sinonさんは東京に
    出て来たばかりの頃に原宿でウェイトレスのバイト。その時の失敗談を
    話していました。ケチャップ下さいとお客さんに言われ、厨房で受け取った
    業務用の大きいものをお客さんに出してしまったとか。
 6. バイト・ロック
    唄う前に「オキナワンロッカーな感じで唄うので」という紹介があり、
    大きなグルーヴ感がうまく出ていました。光るタンバリンも活躍。
    後半はもっと引っ張っても良かったかもしれません。
 7. 月の記憶〜fly to you〜
    一変して幻想的な雰囲気が漂います。ファルセットも安定していました。

 MC 学生の頃に好きな先輩が卒業する日、第2ボタンをもらうつもりでいた
    けれど言い出せずに、校門から先輩が出ていく姿を教室でずっと見つめ
    ていた、という話。思いだしたのか、深い色の瞳が少し潤んでいました。
 8. My Dear Friend
    典型的なクリシェが心地よい感じです。
 9. TALK
    少し歌詞落ちがありましたが、そういう曲なのだと思わせるような堂々と
    した唄い方でした。この曲で再び立って唄ったと思います。
10. 恋は史上最強の魔法
    「そろそろお楽しみの時間」と盛り上がりが最高潮に達します。ステージを
    左右に動き回り、キュートな振り付けも良かったです。
11. バナナスマイル
    イントロがおとなしいので(イントロ後半は違いますが)、10と11は逆の
    方が良かったかもしれません。この辺は一挙に畳み掛けるようにメドレー
    にしてしまいたいくらい。この曲のときのsinonさんが一番良かった気が
    します。本当に歌詞通りsinonさんが主役です。
12. Into The Paradise
    休む間もなく激しいアコギのイントロで、盛り上がりのピークが続きます。
    歌詞に合わせて途中で靴を脱いだのですが、まさか客席に投げたりしない
    だろうな、と思っていたのに…。すぐ上に投げたつもりが、私の足元に
    転がってきました。しまった!という表情をしていたのですが、見えな
    かった人には何のことやらわからなかったかもしれません。ちなみに靴
    は置いてあったカップを倒し、被害を受けた方もいたとかいないとか。
    結局私が靴を拾ってステージに戻しました。照れくさそうな表情をして
    いましたが唄い続け、曲が終わって暗転してから靴を履いていました。

 MC 「早いもので次の曲で最後です。嵐の中を来てくださってありがとう
    ございました」
13. WANNA BE FREE
    最後はパワーを残したまま比較的上品にまとめた感じがありました。
    メンバー全員を送り出してsinonさんもステージを下ります。

 アンコールがかかり、数分してから再登場。水色のTシャツに着替えカウボーイ
のように帽子をかぶっていました。

 MC 「本当にありがとうございました」「感謝の一言なので唄に込めたいと
    思います」
E1. Happy Birthday
    声が滑らかになっていました。まだまだ余裕が感じられます。一番高い音
    はちょっと危なげということもあり、あまり長く伸ばさない辺りも
    うまくごまかしたかな?という感じ。
 MC ここでBsとDrが抜けます。MCで喋ることは当日決めているそうです。
    「今日は楽しかったです」「久しぶりに東京でライブが出来て、見憶えの
    ある人もいっぱいいますし(笑)、初めての人はいかがだったでしょうか」
    「これからも大好きな歌を唄っていきたいと思います。またどこかで
    お会いしましょう」
E2. 抱いてあげる
    歌詞のせいもありますが、小柄なsinonさんがとても大きく見える唄でした。
    最後のロングトーンなど心地良すぎます。

 MC メンバーを送り出し一言挨拶「また次も絶対会いたいと思いますので、
    そのときに会いましょう」

 ダブルアンコールをもくろみましたが、さすがに出てきてくれませんでした。  約1時間半の内容で、私にしてみれば大きな誤算でした。無料招待ライブで これだけの内容を見せられるとは思いませんでした。もっと真面目に復習して おけばよかったというのは私の反省材料です。ツアーだったら次の会場も行っ てしまいそうな気分になっています。これまでのsinonさんのライブの中でも ベストと言える内容だったのではないでしょうか。東京では2年の沈黙を打ち 破った今回の本格的なライブ、次回につなげるには十分すぎる出来でした。 ぜひまたライブをやってもらいたいものです。でも、調子に乗って急に会場を 大きくすると失敗しそうですけど(^_^;)。そういえばスノボの話はありません でしたね。
 6階でアンケートを書いて帰ろうと思ったら、ふと誰かに呼ばれた気がして 振り返ってみると、WLAMのKyokoさんとセンパイがいました。何で?と思い、 訊いたところsinonさんと友達なのだそうです。そんな大切なことは早く言って もらわないと(^_^;)。私が来ているのではないかと二人で話していたとか。 sinonさんとは最近同じダンススクールに通っていて、友達になったのだそう です。WLAMのCD売っていないぞ、とか次のWLAMのライブのこととか話して きましたが、次回あたりのWLAMのライブは客席チェックも重要になりそう?
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copyrightかみと ,1998