今年の新人注目株の二人が出演するということで、三宮まで行ってきました。
 サンテレビの“KOBE CALLING”という番組の“異人館CALLING”という スペシャルイベントで、7組のアーティストが出演することになっています。

 予めわかっていた情報で“野外ライブ・小雨決行”とのこと。しかし天候は 良くありません。9時ちょっと前の新幹線に乗り込み、西へと向かいます。 次第に空が明るくなってくるものの、やはり雨です。大阪に着いたときも 小雨ながら降っていました。これくらいなら何とかなるかも…という思い がありましたが、尼崎辺りはシャワーのようなどしゃ降りでした。これは まずいかもしれない…翌日は大阪で仕事だから救われるものの、イベントが 中止になっていたらどうしようという気持ちで、車窓から恨めしげに空を 眺める私。中止になってしまったらJeni Jeni@TOWER RECORDS神戸店という 選択肢もあるのですが、それはあまりにも悲しすぎます。
 しかし三宮に着くと、傘がなくても平気な程度に回復していました。 これならイベントは出来るかもしれないと期待を持ちつつ、北野坂を登り 会場を目指しました。会場は 風見鶏の館 の前にある北野町広場です。 ビニールのテントで被われたステージの裏側が下から見え、イベントが あることを確認できたのでやっと安心。私が会場に着いたのは12:30頃でした。 この付近は観光地でありデートスポットであるため、天気は不安定にも 関わらずそれなりの数の人が行き来していました。

 ステージ横を見ると派手な出で立ちの泉川そらさんが立っていました。 これからリハーサルが行われる模様。上着に、胸の部分に青空の模様をプリント したシャツに真っ赤なパンツ、髪には色とりどりの飾り(今回は線が無かった ので、小型の洗濯ばさみかな?)を付けていました。私に気付いたそらさんは、 ちょこんと頭を下げてくれました。でも何となく表情は堅め。いかにも 「見憶えあるけれど誰だか思い出せない」という感じ。まぁたくさんの人に 会う仕事なので、憶えていなくて当然です。
 12:45頃から泉川そらさんのリハーサルが始まりました。

R1. 凪
R2. ヤッホー!

 それぞれ1コーラス程度で音合わせ程度ですぐに終わってしまいました。 控え室に戻られたそらさんでしたが、15分ほどして控え室横のベンチのところで 谷口崇さんと二人のインタビューシーン(というよりはトークシーン)を 収録していました。控え室のテントの中からかすかにギターの音が聴こえ、 いとうゆうこさんの一行が中で練習しているようでした。
 いとうゆうこさんのリハーサルがまだなのかもしれないと期待したのですが、 次にリハーサルをしていたのはThe LOVEだったと思います。リハーサルは 出演順でも逆順でもないようだったので、いとうゆうこさんのリハは終わって しまったのかもしれません。ヤボ用で三宮駅付近まで一度戻っていたので、 その間の様子はわかりません。

 13:50頃に会場に戻ると、階段状になったところに人がたくさん集まって いました。通りすがりの人を含め100人程度でしょうか。雨が降ったり止んだり という状況だったので地面が濡れていて、座ろうと思うお客さんは苦労して いました。
 14時になり司会の大久保かれんさんが登場。スマイリーのイラストの入った 大きな帽子、首には てるてるぼうず をたくさんぶら下げていました。 いろいろと宣伝や注意事項があった後、やっとイベントがスタートです。

○The LOVE
  彼らを見るのは97/05/17の渋谷On Air Eastでのイベント以来、2回目に
  なります。Bs,GtVo,Gtの男性3人組。彼らのファンが多かったようで東京や
  福岡からの遠征組もいたらしいです。
 1. ひまわりの観覧車 2. 雨に濡れた洗濯物 3. FREE 4. ヒロイン 5. 喜びを叫ぼう

○いとうゆうこ
  The LOVEのインタビュー中に、いとうゆうこさんらがセッティング。
  いとうゆうこさんはステージの横で客席を見回した後、私の方を見て笑い
  ながら「あっ、前に座ってる」と私に聞こえるくらいの声でメンバーに
  話していました。いとうゆうこさんの服装は池袋のイベントの時と同じで、
  白い薄手のブラウスにボロボロのジーンズ。サポートは今回もBs,Gtです。
  スタンバイ中に大久保かれんさんがいろいろと話していますが、プレゼントで
  いとうゆうこさんと馬場俊英さんと大久保かれんさんの3ショットのプリクラ
  のプレゼントがあるとか(^_^;)。プリクラではいったいどういう顔をして
  いるんでしょうね。以前"LIVE Next CALLING Vol.2 DIVA Ver.-"という
  イベントでも話していたためか、二人の自然な会話を聴くことが出来ました。
  「今日は手拍子どうしましょう?」という質問に照れるいとうゆうこさん。
  「イエーイ!って乗れるタイプの曲じゃないので、普通にに聴いて下さい」と
  答えていました。

 MC 「じゃ、いとうゆうこ今日は6曲唄います」
 1. がんじがらめ
    ステージの一番前まで出て、ビニール屋根の無いところから手を出して
    空の様子を伺いながら唄っていました。ディストーションの効いたエレキ
    ギターのような声が、静まり返った会場に響きわたります。池袋の
    イベントの時はブレーク部分でベースが入ったままでしたが、今回は
    ブレイクもしっかり合っていました。ギターの6弦をDにして低音を
    強調したいところ。
 MC 「じゃ、次の曲。にわとりとたまご」
 2. にわとりとたまご
    イントロの途中でリズムボックスによるリズムが入ってくるのですが、
    タイミングが思いきりずれていて、それでも強引に合わせていました。
    途中でも若干リズムが走り気味になっていますが、それだけ気合いが
    入っていたのでしょう。この曲でいとうゆうこさんはギターとハープを
    演奏します。ギターの音も良く聴こえてきて音に厚みがありました。
 3. ミントブルー
    ステージから下りて来て唄っていました。一瞬ステージに座ろうと思った
    ようですが、カメラのことを考えて止めたという感じがしました。
    これはまだCD化されていない、浮遊感のある切ないスローな曲です。
    鳥のさえずりが聴こえるほど、ささやくような雰囲気で唄っていました。
    ミントブルーって色のことなんですが、それだけではない意味があるの
    でしょうね。ミントブルーとは違うのですが地底湖の神秘的なブルーを
    イメージします。
 4. 羊飼いの唄
    リズムが入ってCDバージョンに近いアレンジでした。ステージの下で
    唄うのですが、あまり動きはなくて表情がマネキンのように凍りついて
    いる感じ。彼女を知らないお客さんは驚いていたことでしょう。
    唄に迫力がありすぎて、「こんなに強烈な歌を街中にばらまいていいの
    だろうか…」と心配になるほどでした。横に座っていた女の子が
    「曲によって全然雰囲気が違うよね」と話していました。「ミントブルー」と
    「羊飼いの唄」のギャップが激しいだけに、そう思ったのでしょう。
    この曲の途中だったか、終わったところだったかでステージに戻ります。
 MC 今年両親がそろって定年退職した。それぞれいろいろ好きなことをやって
    いて、今とても輝いている。「いつも輝いていられるように生きていたいと
    思います」
 5. 路地裏のカラス
    ギターを弾きながら。この曲を聴いていると、こちらの動きが止まります。
    ボーカルのダイナミックレンジの広い曲です。かつてフォークが全盛だった頃、
    野外のイベントもたくさん行われていたようですが、きっとこんな雰囲気も
    あったのではないかと思っていました。
 MC 「じゃ、最後の曲。フォークソング聴いて下さい」
 6. フォークソング
    何か思い出したのか、唄い出したところで泣きそうになっていました。
    しかしすぐに立ち直ります。瞳は潤んでいましたが。比較的サラッと唄う
    ことが多いこの曲ですが、これまで聴いた中で一番重さを感じました。
 MC 「どうもありがとうございました」

 大久保かれんさんがなかなか現れないので、そのままステージを下りそうに なってしまいます。かれんさんは脳天気な声のトーンで登場し「今日は手拍子 無かったですね」と切り出します。照れるいとうゆうこさん。
 大久保かれん「屋外のイベントはどうでしたか?」
 いとうゆうこ「………。」
 大「感想無し?」
 い「……これ(屋根のビニールシート)がないと嬉しかった。」
ビニールが視界に入って気になったらしいです。立ち位置も予め言われていた ところと違ったらしいです。雨女と思われているらしく、ひどい天気のことが 多いとか。
 ライブの映像がテレビで放送される話では「私にも(テープを)送って」と お願いしていました。
 大阪のイベントの時は馬場俊英さんも一緒で、朝まで飲んでいたとか。 「酔うとどうなるの?」という質問に一言「からむ。」とのこと。一度一緒に飲んで からまれてみたいものです(笑)。日帰りだそうで、「予算がないから泊まらせて くれないの」と話していました。「明石焼きを食べたかった」と言っていて、 大久保かれんさんに「なんで神戸で明石焼きなの?」と突っ込まれていました。 そのまま食べ物の話が続きます。前回一緒に飲んだ時はイカづくしだったそう ですが、神戸牛の話では「しゃぶしゃぶ好きなの」と言っていました。
 今後のイベントの予定ははっきり憶えていないらしく、さかんにステージ横の マネージャーさんに聞いていましたが、7/26に大宮のWAVE(どこにあるんだろう?)で インストアイベント、準備中の馬場俊英さんに指摘されたらしい8/1の福井駅前の 競艇関連がスポンサーのイベントがあるようです。そんな馬場さんは、いとうゆうこ さんが北陸をキャンペーンで回っていた2日後に同じコースを回っていたとか。
 そういえば大宮の話の時に大久保かれんさんが「埼玉って何があるん でしょう?」とおっしゃっていました。

 いとうゆうこさんの唄は全く問題なく、ファルセットもバッチリ。しかも 6曲も演奏してくれるという内容だったので、とても満足しています。
 昼間のイベントは何となく似合わないという気がしていましたが、灰色の 空の圧迫感にも似た濃厚なパワーを感じるステージでした。

○馬場俊英
  彼のステージを見るのは95/04/08の吉祥寺曼荼羅で、俊英&GOT SOULとして
  出演しているのを見て以来です。この日はGt,Perc,Vnのサポートで、
  全員でのハモりは良かったです。なぜか4曲目のときだけ雨が降っていました。
 1. ??? 2. センチメンタルシティマラソン 3. ミセスユー 4. 愛する
 5. Down the Rever

○泉川そら
  リハのときのから上着を脱いで登場。袖もパンツと同じ真っ赤な服でした。
サポートはGtのみ。

 1. 神様がくれた日
    キーボードの弾き語りで入るのですが、イントロでCの音が出ず「あれっ」
    という顔をしていました。唄っている最中は比較的強めに弾いているかな、
    と思っていたのですが、途中からちゃんと音が出ていました。なんとなく
    全体的に堅い雰囲気でした。
 MC 「みなさんこんにちは。改めまして泉川そらです。雨降ってきましたね…」
    ここで“簡単な簡単な簡単な”自己紹介。神戸には結構来ていたそうで
    「デートとか、デートとか、デートとか…もうえぇっちゅうねん」
    神戸では以前、ウエディングドレスを着て記念撮影させてくれるところで
    和久井映見さんが着ていたものと同じドレスを着て写真を撮ったことがあるとか。
 2. 凪
 MC 「いつもベラベラ喋ってしまうのですが、今日は進行が早めに進んでいる
    そうで、もう少し喋ってもいいそうで…。拍手も起こったことだし(と、
    拍手を要求(^_^;))…」ということで、いつもの“よくある質問ベスト3”。
    すごい早口で本当にベラベラ喋りまくります。
 3. たった1つの窓
    キーボードのみの弾き語り。間奏でギターソロが入ります。泉川そらさんの
    曲には案外マイナー調のものも多いんですよね。アンニュイな雰囲気が
    会場を包みます。この曲では特に高音の声の出し方がTARAKOさんに似ている
    気がします。
 4. ずっともっと
    スローバラード。次のアルバムにも収録されていない、今のところライブ
    でしか聴けないという曲。こちらは完全に一人の弾き語りでした。はからずも
    雨に似合うような感じの曲でした。
 MC 「友達に“来てな”と葉書を出したけれど、なのに来ているのは…」客席の
    後ろの方から「はーい」との声が聞こえてきました。「あとはみんな薄情な
    やつやな…(笑)」と言ったりして。屋外でのライブは初めてだということも
    話していました。「今日は会場に私の妹などもおり…どこにいるのかは内緒
    ですが」とのこと。
 5. ヤッホー!
    デモテープを作った頃の原形バージョン。CDよりもゆっくりとした演奏です。
    勢いよりは丁寧さを前面に出した感じに聴こえました。やっぱりバンド
    バージョンで盛り上がる方が良いかもしれませんね。後半で激しくミスタッチ
    していましたが、声は気持ち良いほど出ていました。
 MC 「ありがとうございました」

 雨が降ったり止んだりするステージでしたが「野外はどうでしたか?」には 「気持ちいいですね」とのこと。6/24に発売されるCDのジャケットは本人曰く 「絵の具ベタベタという感じの絵」で、泉川そらさんが描いたそうです。
 「ダンス見せて下さいよ」と言われ、「いいえ」と笑いながら丁重に断る そらさん。
 ライブ中に声をかけていた友達は“唄って踊れるちびっこグループ”の “フィンガージュニア”の時のメンバーだとか。「お姉ちゃま」といって いましたが、ポプコンに出た頃の初代のメンバーの一人だそうです。その後 には実の妹さんのまりさんが紹介されていました。そらさんよりも大人っぽい 人で「途中から逆転した」のだそうです。客席の後ろの方でステージに 向かっておじぎしていました。

 全体的な雰囲気としてはライブというよりも、いかにも「これはキャンペーン です」というステージでした。自分や曲のことをわかってもらいたいために、 どうしてもたくさん喋ってしまうのでしょうけれど、もう少し楽曲や演奏で お客さんが満足できるステージにした方が良いと思います。BGMで流れていた 「ヤッホー!」の作り込んだ音が聴こえてきただけに、ちょっと物足りない感じ。
 天気が悪かったのもそらさんにとっては不運でした。彼女にはきっと青空の 方が似合うはずです。「ヤッホー!」などは特に青空の下、客席が芝生になって いるような広いところで聴きたいですね。
 6/24に発売されるファーストアルバム『そらへ』の曲目とタイアップが書かれた チラシを転載しておきます。

泉川そら『そらへ』(PICL-1170, 98/06/24, \3,059)
 1. そらへ
    扶桑社「CAZ」CMソング
 2. 等身大の地球儀
    フジテレビ系28局ネット「ビッグトゥデイ」エンディングテーマ
    秀英予備校CMソング
 3. ヤッホー!
    TBS系全国ネット「さんまのスーパーからくりTV」エンディングテーマ
 4. たった1つの窓
 5. いつか…
 6. 私が主役!
    新潟放送「さわやか味のスケッチ」エンディングテーマ
    群馬テレビ「さわやか味マップ」エンディングテーマ
 7. 別々の場所で
    テレビ埼玉「さわやか品子の談話室」エンディングテーマ
 8. らくがき
 9. 凪
10. 神様がくれた日
    TV東京「異次元の世界エルハザード」エンディングテーマ

 この後のステージは谷口崇さん、TimeSlip Randezvous、特別出演で間に合えば BURST FRUITSと続くとのことでしたが、谷口さんが唄っている辺りで引き上げる ことにしました。イベントのアンケート用紙を出そうと思って受付のところに 行ったら、ちょうど帰り際の泉川そらさんが出て来たところでした。いかにも 待っていたかのような雰囲気になってしまって気まずかったのですが、ちょっと だけ挨拶して見送ることにしました。
 このライブの模様はサンテレビにて6/19からの毎週金曜日深夜、3週連続で 放送されるそうです。
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