中司雅美さんが唄うということで、あまり考えもせずに南青山マ・サールという ところへ行ってきました。中司さんが東京に来られてからしばらく経つようですが、 ライブを見るのは随分久しぶりです。春に行なわれた松井恵子さんの荻窪での ライブの時に、住所を知らせたのが効いたようで(^_^;)、「DMでも来たら行っても いいかな?」と思っていたところに見事にDMが来たのでした。
 会場は南青山マンダラの並びにあり、いかにも上品な感じ。早くも「来るんじゃ なかった」という思いが浮かびます。チャージが高いこともありますし、そもそも 中司さんはゲスト扱い。あまり効率の良いライブとはいえません。
 吸い込まれるように階段を下りていくと、すぐそこに中司さんがいました。 「来てくれたんですね。」と早速声をかけてくれます。私は「だまされたつもりで 来ました。」と答えたのですが、「え?私がだましたん?」と本気で返されて しまいました。
 やや広めのスペースで、ステージは低め。ステージの後ろは鏡張りになっていて、 ミラーボールまであります。壁の両側にプロジェクタ用のスクリーンがありますが、 音響設備はどこにあるのかわからないという感じ。ライブをやるような雰囲気では ないように思います。普段はダンスホールにでもなっているのでしょうか?
 1階席と2階席があり、1階がまだ空いていたのでそちらに座ろうとすると、 中司さんが「そこは団体客用ですから」と告げます。別にこだわりはないので 2階の通路のところにあった椅子に座ることにしました。
 客層はいかにも上流階級を気取る人たちが多く、私など絶対に場違いな雰囲気。 どこぞの国の大使だとか、プロスポーツ選手だとか、テレビで活躍する文化人だとか、 そんな人たちが集まっているところです。

 この日は志賀昭裕さん(アルパ)、先崎里美さん(Fl)のステージに中司さんが 参加するというもので、2部構成でした。1部は志賀さんと先崎さんによる ステージ。2部の最初に中司さんが登場します。構成が逆だったら1部が 終ったところですぐに帰ったところです。
 他の人のアルパの演奏を聴いたことが無いので比較もできないため、 善し悪しについては何とも言えませんが、どうも粗雑な演奏に感じて しまいました。ハープの滑らかさの代わりに荒々しさを加えたような 雰囲気でした。

 中司さんの唄はかつての力が感じられず、全然声が出ていませんでした。 MCはいつもながらではありましたが、ゲストであそこまで喋るのはどんなものか。 他のお客さんは明らかに志賀さんの演奏を聴きに来ているわけで、中司さんの 演奏ならまだしも、興味の無い話を延々されているように感じていたのでは ないでしょうか。そんな雰囲気が漂ってきました。せめて、志賀さんとの関わり といった部分をうまく盛り込みながら話さないと、お客さんはすぐに飽きて しまいます。
 もっとも、最後の曲の唄い出しでは、やっと彼女らしい雰囲気が出ていました。 突き刺さるような高音が何とか聴けた、といったところ。風邪だったそうなので、 実力を発揮しきれなかったということなのでしょう。
 終演後は、なるべく中司さんに捕まらないように、逃げるように帰ってきました。 話すと不満ばかり言ってしまいそうで。

(後記)ある人の「どうしてもレポートして欲しい」という要望に応えましたが、 書かない方が良いこともあるものです。 削除した方が良い場合はお知らせ下さい>心辺り。
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copyright かみと,1998