“歌霊Vol.5”となる宇井かおりさんのライブを見てきました。ライブに関する 宣伝がほとんどされていないため、お客さんは50人弱といったところ。とても ひっそりとしたライブでした。きっと宇井さんの望んでいる形に近いのでは ないかと思います。
 ステージ向かって左にテーブルがあり、小さな蝋燭が2つ、右にも小さな 蝋燭が1つあります。それらはスタッフが火をつけ、ステージ中央の宇井さんを はさむように大きな蝋燭が2つあり、そちらは宇井さんが火を灯して19:35頃 スタート。宇井さんは銀のラメ入りのセーター、下は黒のパンツでした。 サポートはギターの加藤さん。

 MC 「いいスペースがありますね。一人一人に質問しちゃおうかな。」
 1. MORE THAN WORDS
 MC 「あ、そうだ!明けましておめでとうございます。皆さんの年明けはいかが
    だったでしょうか。私の年明けはさんざんでした。」帰省していた1月3日に、
    父が畑で枯れ木を燃やしていた。火が消えたと思い、皆でカキフライを食べ
    ようとしたら、火が広がって火事になった。消防車まで来て、火はすぐに
    消し止められたけれど、カキフライはすっかり冷めてしまった。少しやけども
    していた。火を見ると興奮するのか、その晩は両親と3人でビールをガンガン
    飲み、さらに階段から落ちてお尻を何度も打った。
 2. Last Dinner
 3. これほどにせつない夜があるなんて
    もうこの曲は聴けないのではないかと思っていただけに、久しぶりに聴けた
    のは嬉しかったです。
 MC 「“新しい曲に挑戦するのも良いけれど、1stアルバムの宇井さんも”という
    アンケートに応えてみました。」
 4. Just You and I
    温かさの伝わる名曲ですね。
 MC 最近“歌のデリバリー”として結婚式の披露宴で唄うことも多い。唄うときに
    会場に入った瞬間、会場の雰囲気がわかるもの。アットホームな披露宴も
    あれば、新郎新婦とお客さんとの距離があることもある。
    佐賀での披露宴で唄うことになった。母親が九州を旅行したいと言っていたので、
    それに合わせて家族旅行をしようかと持ちかけた。ところが両親も九州で仲人を
    する予定があるということで、日程が近ければ良いと思っていたら、同じ日の
    同じ会場だった。父の部下である新郎新婦が計らってくれたらしい。
 5. 写真
 MC 「自分でも懐かしい気がします。デビュー当時の只ライブを思い出します。」
    ここで宇井さんのリクエストで、加藤さんが軽く演奏。
    「今日は実家から来ました。富士山が良く見えて、とても気持ちが良かった。」
    「ここからは“寝ろよの光線”を放ちながら…」
 6. ゆりかご(唱歌)
 7. Little Bird
 MC
 8. 赤い花(唱歌)
 9. 傷口に咲くユリ
    心の痛みを伝えるかのような唄でした。
 MC 「こういう(暗い?)曲ならたくさん書けるんですけどね。」
    「秋にサンマの歌を唄いましたが、金沢でブリの歌を唄いました。今回は用意
    していなかったんだけど、サワラで作れば良かった。」
    ここで詩の朗読。寺山修司さんの「幸福が遠すぎたら」で、これは3rdアルバム
    のライブの時に朗読した詩の元になっているもの。
10. 笹舟
11. パラシュート
    サビで「開け開けパラシュート」という歌詞が出てきて、聴いているこちらも
    複雑な心境です。
 MC 「これは激しい気持ちの時に出来た曲でした。」
12. 君が淋しいというのなら
 MC 「久々に東京に来た。家族がいるところには不思議なエネルギーがある。」
    「これに懲りずにまた来て下さいね。」
13. 帰ろう

 ここで本編終了。20:50でした。

 MC 「一人でもポンポンって(アンコールの拍手)してくれたらやろうと思って
    いました。」
E1. Top of the World(カーペンターズ)
E2. I won't last a day without you(カーペンターズ)

 ここで21:00でした。さらにアンコールがありますが、次は夏にやりたいと いう挨拶をして終了。

 今回のライブは1stアルバム『JUST SIGHS』からの曲が多く、懐かしいと同時に、 宇井さんの良さをしみじみ感じさせるものでした。静かな雰囲気で聴く宇井さんの 唄は格別ですね。ジワジワと水が染みだしてくる泉のような雰囲気があります。
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copyright かみと,1999