米倉千尋さんの2nd Liveが原宿ルイードで行われました。今回も対バンライブで、 出演は最後とわかっていましたが、最初から見ていたので、他の出演者についても 多少書いておきます。
 会場に入ると椅子は無く、千尋さんの出番まで静かに座って休んでいようという 思惑は外れてしまいました。

○Ocean Wave
  なみこさん(Vo)とようぞうさん(Gt)のユニット。それぞれの名前からOcean Wave
  なのだとか。ルイードのスケジュール表によれば、週刊ビッグコミックスピリッツ
  の「ミススピリッツ」に認定されたのだとか。素直な唄い方をしていて、いかにも
  アイドル系、そういう尺度から評価すれば技術的には十分だと思います。
 1. 明日になれば
 2. I miss you
 3. Fairy Cry
 4. All I need is you
 5. いつもいつもいつまでも
 6. Wave&Wind
  基本的にはカラオケにギターを合わせるというパターンでした。3,4曲目では
  なみこさんがキーボードも弾いていました。良かったと思う曲は3ですね。
  4はありがちな詞の内容ではあったものの、良かったと思います。
http://www.prosoftware.co.jp/product/namiko/index.html

○SPY
  KAZUYOさん(Vo)、SAKULAさん(Key)の女性2人と、HIROさん(Gt)の3人。
  '96年に見たことがあるSPYは女性4人に男性のGtという構成だったので、
  メンバーが変わったのかもしれませんが、全くの別グループかもしれません。
  ただ、当時見た人たちも踊りまくっていたことが記録に残っているので、
  良く似ていると思います。TVK等で放送中の「To Heart」というアニメの
  エンディングテーマ「Access」をバンダイからリリースしているそうです。
  ボーカルは、線は細いものの声量のある唄い方でした。一番お客さんが多かった
  のはSPYでしたね。
http://www.JKmusic.co.jp/spy/spy.htm

○TOMO ZA
  Bs,Key(女),Vo(女),Dr,Sax,Key,Gtのバンド。今回が初ライブなのだとか。
  芸能関係のキャリアがありそうなボーカルで、鼻にかかった唄い方は声優系
  ボーカリストっぽい印象です。声質は和木ちえりさんぽい感じ。菊池桃子さん
  からアイドル色を抜いたようなイメージもあります。バックのメンバーが
  とてもしっかりしていて、安心して聴いていられる人たちでした。
 1. Too Sweet
 2. Just Friends
 3. 哀しい記憶
 4. キミの雨
 5. Season
http://www.d1.dion.ne.jp/~e_hide/

○米倉千尋
  いよいよ千尋さんの登場。今回はアコースティックライブという話を聞いて
  いたので、良いライブになるに違いないというかなりの期待がありました。
  20:50頃になり、楽屋から「では行って参ります!頑張ろう!イェイ」という
  千尋さんの声が聴こえてきました。上手から現れた千尋さん、そのまま下手へと
  通り過ぎて行きました。あれ?と思ったら、キーボードの位置へ。
  「未来の二人に」のプロモーションビデオでピアノを弾いているシーンは
  ありましたが、実際に生で弾いているところを見るのは初めて。
  この日の千尋さんは髪を下ろしていて、紫と白のチェックのストラップレスの
  ブラ(こういうのなんて言うんだろう?)に、黄緑色のロングスカート。
  「ちょっと待って下さいね」と椅子の高さを調節して、改めて座りなおします。

 1. To your heart
    しっとりとしたオープニング。千尋さんの弾き語りでスタートし、途中から
    Gtが入ります。唄は低音もしっかり出ていて安定していました。でも、私は
    何となくヒヤヒヤしながら見ていました。本人よりも緊張して見ていたかも
    しれません。会場全体が固唾を飲んで見つめているといった雰囲気でした。
 MC ここでセンターの位置へ移動。他のサポートのメンバーも登場します。
    サポートはBs,Key,Dr,Cho(女),Gtでした。
    「皆さん今晩は。米倉千尋です。」マイクの高さを調節しようとしますが、
    ネジが固くてちょっと手間取っていました。コーラスの女性が助けるのですが、
    あっさりネジをゆるめてしまいました。この女性は「恥ずかしい」とささやいて
    定位置へ戻ります。
    「皆さん今晩は。改めまして。こんな至近距離にいらっしゃるとは思わなかった
    もので…。」
    「1曲目「To your heart」、初の弾き語りで聴いていただきました。」
    「晴れてトリを飾ることが出来ました(笑)。前回、初ライブを原宿ルイードで
    行ったんですけれども…いらっしゃった方、いらっしゃいますか?」
    何人かのお客さんが手を上げます。「いらっしゃっていましたね、憶えて
    いますよ(笑)。何人かいらっしゃるようでありがとうございます。その時は
    ノリノリの曲が多かったんですけれども、今回はアコースティックナイトと
    いうことで、アコースティックに…。前回はバンドのメンバーもかなり
    若かったんですけど、今回はほんのちょっとだけ年齢を上げてみました(笑)。
    大人チックにお送りしようと思います。短い時間ですけど楽しんでいって
    下さい。」

 2. 世界中の悲しみから
    1st Album『Believe』の中でスローな曲のひとつ。椅子に座って唄います。
    詞のドラマチックな展開が良く表現されていました。録音された時よりも
    声が少し堅めになったかな、という気がしました。『Believe』の中でも
    好きな曲なので、この曲を聴けたことで早くも満足度がアップ。

 MC 「今日のテーマは“「My song for you」大発表会”というですね…この辺
    (ステージ後ろ)に掲げたかったんですけども、ワンマンじゃないという
    ことで(笑)出来なかったんですが、そういう気分でのぞんでいます。」
    ここで「My song for you」がテレビ東京「ソースが決め手」のエンディング
    テーマになっている話、放送日が土曜日ということで「早く帰れば間に合う
    かな?」

    「この曲は、ファンの方からいただいたファンレターに励まされたり、勇気
    づけられたりして、自分にとって辛いことがあっても、皆さんとの距離が
    近く感じられて、遠く離れて会ったことの無い方もいらっしゃるのに、文字を
    通じてその人の温もりとか、その街の様子とかを思い浮かべることができて、
    ファンレターを嬉しく思っていて、お返事を書くようにしているんです
    けれども。なかなか届けられない方とか、メールとかでも書いてくれるん
    ですけれども、私からの感謝の気持ちを込めてこの曲を書きました。」
    さらに、この曲がCDドラマ「EVE〜burst error〜」に収録されている話。
 3. My song for you
    涙もろい千尋さん、唄う前から泣きそうな雰囲気はありましたが、2コーラス目
    で泣き出してしまいました。この曲は詞曲とも千尋さんであり、彼女の想いが
    強く現れているのでしょう。唄う度にいろいろな思い出が脳裏をよぎるのかも
    しれません。この曲のプロモーションビデオでは、ガンダム関連のイベントの
    様子が回想シーンのようにスローで流れていますが、その頃もきっと辛いことが
    あったりして、気丈に唄ってきたのかもしれないと思えてきます。なんとなく
    回想的な気分になる曲で、私も山形や八戸などでのイベント、初めて会った時の
    ことなどを思い出しながら聴いていました。それにしても、前面に出して
    売り出さないのがもったいないくらい良い曲です。スタンダードとなっている
    ような楽曲の雰囲気に近い気がします。
 MC 「(泣いてしまったことに対して)すいません」という千尋さんに会場の
    あちこちから声援がかけられます。
    「いかんですねぇ…。この歌ダメなんですよ…。」

    「泣いちゃったんですけれど、楽しいこともありまして…。ホームページとか
    に書いていますけど、環八沿いのドンキホーテによく行くんですね(オフィシャル
    ページの「ぴろりんGOKIGEN日記」Vol.2で蒲田店が紹介されています)。
    そこで5千円以上買うとルーレットが出来るんですけど、一回も当たったことが
    ないんですよ。一昨日くらいに風邪ひいて…ディレクターにうつされたのが
    長引いていて…声が出るようにと思って、湿布だのアンメルツだのいろいろ
    薬を買い込んで、初めて5千円以上買ったからルーレット出来たんですけど
    (5千円以上買うのは初めて?それなら今まで当たったことがなくて当然かな)、
    そしたら当たったんですよ!」(会場から拍手)「当たったのは“たわしセット”。
    それで体を磨こうかなと思って(笑)。」(「ドンキホーテの回し者?」という
    声がかかる)「違うよ。でも好きなの、楽しくって。」

 4. Strawberry Fields
    イントロでトイピアノを弾きます。途中からどんどん音が重なり、ゆったりと
    した大きなうねりのある曲になっていました。オルガン系のKeyの音が良い
    雰囲気です。会場は手拍子。エンディングでは無伴奏になります。最後は
    ドラムだけでなく、全員でジャーンと終わって欲しかったところ。

 MC ここでCDリリースの宣伝。7/3からテレビ東京で放送される「封神演義」
    というアニメのオープニングとエンディングを唄うことになり、エンディングは
    千尋さんの書き下ろし。でもまだ詞が書き上がっていないのだとか。これが
    8/26にリリースされます。
    「リリース情報第2段!2ヶ月連続リリースで嬉しいんです。」(客席から
    「めでたい」「もっと出そう」の声)「はい、5ヶ月連続くらいで(笑)。
    それは皆さんが買ってくれないとね。」Dreamcastソフト「REVIVE...〜蘇生〜」
    のオープニング曲「Feel me」が9/15にリリースされます。
    「皆さん、ジャンジャンバリバリ買って下さい。」
    ここでバンドメンバー紹介。
    板垣正美さん(Dr)…スタジオでは千尋さんの残したハンバーグを食べて
        もらっている。
    村上聖さん(Bs)…この後のメドレーを含め、今回のライブのアレンジを担当。
    榊原長紀さん(Gt)…「To your heart」では100本ノックのように練習を
        ずっと付き合ってくれた。
    近藤和明さん(Key)…ノリノリで弾いてくれて、その様子が練習では
        ツボにはまって、笑ってしまった。
    小口由起子さん(Cho)…頼れるお姉さんという感じ、ベースの村上さんとは
        ご夫婦で、理想の夫婦像。出産のアドバイスを受けたりした(ラジオ番組
        「めざせWedding Bell」関連?)。トイピアノは二人のお子さんの
        ことりちゃん のもの。
    ボンジョビが好きな千尋さん、このバンドに“ボンジョビーズ”と名前を
    付けたそうです(後日談:最初は“ボンジョビス”だったそうです。しかし
    ステージで千尋さんが“ボンジョビーズ”と言ってしまい、ライブ終了後の
    打ち上げの席では「言いにくいから」と“ジョンボビーズ(Jonbobies)”に
    なったらしいです。今後もこのメンバーでライブを行うとのこと(ベースの
    村上さんから教えていただきました。ありがとうございます))。
    「もう少し元気になっていきますんで、手拍子なり、心のシートベルトを
    はずして、せっかく皆さん立っていますんで…。前回は座っていたんで
    あんなにガツンとやったのに静かだからどうしようかと思って…(笑)。
    ぜひ盛り上がって下さい。」
 5. ライラ・ライラ・ライ
    お客さんは手拍子。千尋さんの声は張りがあって、高音も綺麗に出ていました。
    間奏での転換というか、曲の多面性を感じさせるアレンジで、CDとはまた
    違った斬新さがあった気がします。

 MC 「ここからが…08ファンの方?いますね。おまちかね08コーナー!これが
    さっき無理矢理アレンジしてもらったメドレーです。曲が急に変わっちゃう
    ので、ついて来づらいかと思うんだけど、わかるところは飛び跳ねるなり、
    唄うなり、躍るなり、しゃがむなり…寝ちゃうのは困るんだけど。それでは
    行ってみよう。ガンダム第08MS小隊大メドレー!」
 6. 機動戦士ガンダム第08MS小隊メドレー(10 YEARS AFTER〜永遠の扉〜未来の二人に
    〜Open Your Eyes〜嵐の中で輝いて)
    イントロは「嵐の中で輝いて」かと思わせる雰囲気で、「10 YEARS AFTER」
    は意外でした。「永遠の扉」は余裕で声が出ているので、キーを下げている
    ように感じられるほど。次は何だろう?と思わせる間奏が止まり、
    「未来の二人に」になります。Keyのみの伴奏でしっとりと聴かせた後、
    荘厳な雰囲気のある「Open Your Eyes」へ。そして会場を包み込んでの
    「嵐の中で輝いて」では、パワー全開を思わせる勢いのあるものでした。
 MC 「どうだ!まいったか!こんなメドレーになるとは思わなかっただろう(笑)。」

    「もうあっと言う間に終わりです。」(会場からアンコール)「いや、まだ
    ラストの曲がある…追い返さないで(笑)。」
    「今日は皆さんとの距離も近いし、握手もできるし(最前列の人と握手)、
    みんなの顔が一人一人見れて、友達も来てくれてたし…。」
    「見に来て下さってありがとうございました。すごくあっと言う間だったん
    ですけれども、ぜひまた次回もできるように、末永く応援お願いします。」

    「ラストの曲は私が詞を書いた曲です。私の詞は人との出会いを大切にしたいと
    思って書いていることが多いんですけれども、21世紀になりますし、平和な
    地球で、緑多い地球がずっと続いたらいいなと思って書いた曲です。」
 7. Harmony
    1コーラス目はKeyと若干のChoというシンプルな構成でありながら、千尋さんの
    声がスケールの大きさを感じさせます。2コーラス目でフルバンドとなると、
    さらに広がりを見せていました。声をうまく生かせている音作りがなされて
    いて、千尋さんの透明感のある心地よいビブラートが心に染み渡る感じです。

 MC 「皆さんどうもありがとうございました。米倉千尋withボンジョビーズでした。
    それではまた、近々かな?またお会いしましょう。バイバイ。」

 アンコールがあるのかと思わせる雰囲気で終わりましたが、時間の都合なのか すぐにBGMが流れ客電がついて終了。他の出演者は30分ちょっとでしたが、千尋さんの ステージが終わったのは21:45頃だったので、1時間近いものでした。

 今回のライブは、前回のルイードでのライブよりもずっと良い内容でした。 前回は、お客さんの状況を把握しないうちに走り出したフライング状態で、 空回りしていたと思っているのですが、今回は無理に煽ることもなく、 自然に盛り上がる形に出来たことが良かったと感じた要因の一つだと思います。
 千尋さんの声の調子は万全という感じではありませんでしたが、アコースティック 形式にしたことで無理矢理声を張り上げなくてもしっかりと声を届けられていて、 細かい唄い方やニュアンスが良く聴こえてきました。それに、弾き語りやメドレー など、工夫している点もありましたし、客席に椅子が出ていなかったのも もしかすると千尋さんサイドの要望だったのかもしれません。
 総合的に見ても、今回のライブは千尋さんやバンドのメンバー、スタッフの 努力が良い形となって実った、という気がします。
 しかしまだまだ動員が少ないので、これからも着実にライブを重ねて、 タイアップ先のファンではなく、米倉千尋さんのファンをもっと増やして いくことが必要だと思います。タイアップ先のファン(特にコレクター)は、 誰が唄っていてもこだわらないおそれがあります。まぁ、千尋さんを知る 入り口はどこでも良いのかもしれませんが、聴いた人を通過させないだけの 魅力を常に発揮していなければいけません。私の要望としては、音楽系主体の イベントライブなどにもどんどん出演すれば良いのに、と思うのですが…。 彼女の歌手としての真価を、より多くの人にわかってもらいたいという気がします。
SAIL Music Laboratoryへ戻る
copyright かみと,1999