宮崎串間市文化会館で行われた“うたとピアノCONCERT”を見てきました。 オムニバスアルバム『うたとピアノ1』に収録されている4アーティストが 何故か宮崎県串間市に集合するということで、[ma]もはるばる長野からの 参加です。以前から一度見たいと思っていた浜崎奈津子さんも出演とのことで、 宮崎まで行くことにしました。
 翌日のことを考えると、コンサート終了後はせめて宮崎市内まで 戻りたいところですが、終了時間を予想する限り電車での移動は不可能と 判断して、レンタカーで串間へと向かいます。 ときどき雨のぱらつく天気ではあったものの、 早めに宮崎へ向かって途中の観光スポットを巡ることにしました。 サボテンハーブ園で食虫植物を見たり、 サンメッセ日南でモアイ像を見たりしつつ、串間へ。 串間市文化会館到着は12:45頃でした。 とにかく周りには何も無くて、時間をもてあましていたこともあり、 隣の図書館や串間温泉でお湯に浸かったりして再び戻ってきても、まだ 開場まで3時間以上ありました。都井岬まで行こうかとも思いましたが、 雨が降っていたので中止。
 開場時間が近づくにつれて、だんだん人が集まってきました。街中の 人の少なさが嘘のようです(見に来ていた人は市外の人が多いとは思い ますが)。小ホールだったので、客席はパイプ椅子で200ほど。開演時には その9割近くが埋まっていました。入場時にチラシと『うたとピアノ1』の ジャケットを使った缶バッジが配られました。

○松本あすか
  幕が開きかけるとすぐに演奏を始めます。CD同様、ピアノ演奏のみ。
 1. 雫
 2. うずしお
 3. メイプル・リーフ・ラグ(スコット・ジョップリン)
 MC 3歳から続けていたクラシックピアノを高校3年で止めた。自称・クラシック
    非行少女。ここでちらっと「月の光」(ドビュッシー)、子犬のワルツ(ショパン)を
    弾いていました。曲を作り始めて3年。「動物の出てくる曲を…」と
    おもむろに立ちあがり椅子に寝て、頭が鍵盤の下になるようなスタイルで
    「猫踏んじゃった」を演奏します。ある意味、曲芸です(笑)。
 4. I've got will(?)
 MC ジャズの専門学校へ行っていた。
 5. 勿忘草
 MC 九州初上陸。
 6. foul?
    CDではピアノ演奏を重ねて録音したものを、1回で弾くスペシャル
    バージョンとのことでした。
  比較的派手さのあるピアノ演奏でした。演奏技術はかなりのものです。
  細かいところまでうまく表現できている演奏でした。会場の雰囲気が一気に
  上質なものに変わった感じ。

○穂崎菜名子
  (崎の字は異体字で「嵜」の山冠ではなく山偏の字)
 1. 夕焼けを追いかけて
    ロングトーンがきれいに伸びていて、ボーカルの力もしっかりしています。
 MC 大津から来た。
 2. 電車でね
    ゆったりと滑らかな唄でした。
 3. ハトが…2羽
 MC 次の曲は感情のままに作ったとのこと。
 4. 休日の繁華街
    『うたとピアノ1』に収録されていた穂崎さんの曲の中でもっとも印象に
    残っていた曲です。
 5. カンガルー
 6. たそがれ
 MC 花をひとつ
  「電車でね」「休日の繁華街」「花をひとつ」が良かったと思います。
  安定した唄で、演奏もそつなくこなしている感じ。ロングトーンがかなりきれい
  でした。正直なところ生演奏はあまり期待していなかっただけに、今回の
  唄を聴いて、「やられた…」という印象でした。
  http://members.tripod.co.jp/nanahoza/

○[ma]
 1. Liberty
    他の出演者のリハーサルを見ていたayaさんが開演前に「みんなめちゃくちゃ
    うまい」とかなりプレッシャーを感じていたようですが、この曲での二人の
    ハーモニーを聴いて、少し安心しました。
 2. always
    いつもよりゆったりとしたテンポで。
 3. ステップ
 4. 今日も明日も
    お客さんに手拍子を求めます。
 MC 「楽しい!」グランドピアノで二人でのステージは大学の頃以来。
 5. Innocence
 6. aLIVE
  全体的に無難にまとめてきた感じがありました。他の出演者のレベルが
  高い中で、よく検討していたと思います。「ステップ」が一番二人の
  魅力を出せていたように感じました。

○浜崎奈津子
  アルバム『Happy Birthday』を2001/11/7に、TOWER RECORDS渋谷店で
  ジャケ買いして、その翌日にはここの掲示板(#1833)にも名前を出していたくらい
  (ハズレも多いので、滅多にないことですが…)当時から見てみたいと思っていた人。
 1. 最後の横顔
 MC 『うたとピアノ1』のアーティストを地元宮崎に呼んでコンサートなんて
    考えてもみなかった。他の出演者と会うのは初めて。
 2. ながれる川のように
 MC 宮崎中心に活動している。次は旅にちなんだ曲。
 3. 眠れない夜は君を思い出す
 4. 夕焼け雲
 MC
 5. 11本のバラ
    この曲も好きな曲。
 MC 次はファンが自分の応援歌にしてくれている曲。
 6. ガンバレ!
  思っていた通りの実力の持ち主でした。張りのある唄い方で、
  唄も演奏も安定していました。声質が好きなタイプなので、
  聴いていてうれしくなってしまいます。文化会館の(内部向けの)
  スケジュールに浜崎奈津子さんのコンサートと書かれていたこと
  からもわかるように、この日のお客さんのほとんどが彼女目当てと
  思われます。これだけ動員できるというのもすごいものです。

最後に浜崎さんの司会で他の出演者を呼び込みます。簡単なインタビュー
がありましたが、穂崎さんは九州はもちろん、飛行機も初めてで、
しかも初ライブだったのだとか。初ライブであれだけの力を見せ
つけられると、今後の成長がますます楽しみなところ。最後に全員で
浜崎さんの曲を唄うことになりました。演奏は松本あすかさん。

E1. 明日の太陽
    浜崎さんの知り合いの男の子が1歳になる前に失明して、そのことを
    きっかけに作った曲とのこと。ayaさん、mayuさん穂崎さん、浜崎
    さんの順に唄っていました。このメンバーの中でmayuさんがソロで
    唄うのはちょっと酷かも。2コーラスめでは全員で唄っていましたが、
    ユニゾンだったのがちょっと残念。こういうときはオリジナルの人が
    ハモるのがよくあるパターンかと思いますが、やはり浜崎さんが一番
    主旋律を張り切って唄っていました。

 とにかく出演者のレベルが高くて、聴いていてかなり幸せな気分に なれました。1アーティスト終わる度に思わずうなってしまうくらい。 ちゃんとわかっている人がアーティストを選んでいると感じられます。 選んだ人の趣向がにじみ出てくる感じでした。一部には『うたとピアノ2』 を出せるのだろうか、と心配している人もいるくらい(これだけのレベルの 人を集めるのはかなり困難と思われるので)。 同様のオムニバス『Cocktail』関係者の浅沼さんやA.Y.が来ていましたが、 アーティストの平均レベルにかなり隔たりがある気がしましたね。 また、四谷天窓の『PIANO&WOMAN』は束になってかからないと 太刀打ちできないのではないかと思ってしまうくらい。今回のこの メンバーが一堂に会することはもう無いかもしれないだけに、宮崎まで 行った甲斐があったというものです。ホールコンサートだったことも それぞれの唄をじっくりと聴かせるのにふさわしいものでした。
 終演後は『うたとピアノ1』の即売会。購入者には全員のサインが 入った色紙と握手が特典でした。一通り『うたとピアノ1』の販売が 終わったところで、個別のCDを販売していました。やっと浜崎さんの 「ガンバレ!」を買うことができました(^_^;)。
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copyright かみと,2003