伊藤サチコさんのデビュー2周年記念スペシャルライブ“サチあれば楽あり2003”が 渋谷7th FLOORで行われました。お客さんを無理に詰め込もうというわけではないため、 基本的に皆が座れる数でソールドアウトとしていたようです。
 開場前からたくさんの人が集まっていて、入場前にサチコさんに尋ねたいことなどを 記入する紙が配られます。ほどなくして開場。エレベータしか入場手段のない場所 なので、仕切りが悪いと混乱するのですが、特に問題もなく入場。受付では アンケートと一緒に“サチ本。”と書かれたパンフレットが配られました。 あっという間に客席もいっぱいになり、10分ほど遅れて開演。サポートは 石崎光さん(Gt)、渡辺シュンスケさん(Key)。

 1. 僕の日々は映画のように、(Instrumental)
    これまでのライブでも、登場時の音楽として流れていることはありましたが、
    今回は生演奏。
 2. 花束
    声の調子はバッチリ。いつも最初の曲は危なっかしいのですが、今回はそんな
    こともなく、きっちりと唄っていました。バックのサウンドはやや薄めでした。
    ライブの立ち上がりなので、比較的あっさりと始めたかったのかもしれません。
 3. 消灯
    ギターのエフェクトがいい味を出していました。
 4. 万華鏡
    ある意味混沌とした楽曲が比較的淡々と続きます。
 MC 「皆さんこんばんは、伊藤サチコです。今日は来てくれてありがとうござい
    ました。7th FLOORは初めて。きれいに座っていますね。」
    “サチあれば楽あり2003”について。「前年のデビュー1周年記念イベントは
    “1日無料体験入学”だったので、1年で有料になりました。」
     「音楽に感謝したい。一番隣にいるのは音楽。次に唄うのは中学の時に聴いた
     曲で、まっすぐ唄えばいいと思わされた。」
 5. Your Song(Elton John)
    おもむろにCDの歌詞カードを取り出して唄っていました。唄いながら読めるとは
    思えない場所に置いていたので、単なる気休めで用意したのでしょう。
 6. MUSIC LIFE
    力強いビートを刻んでいて声もよく出ていました。サチコさんの音楽に対する
    気持ちが強く表れています。サチコさんは「一番隣にいるのが音楽」と話して
    いましたが、音楽にどっぷり浸かっていて音楽と一体化しているかのようです。
 MC 「気持ち良かった。今日はゆっくり楽しんでいってください。」
    メンバー紹介。「(紹介しようとするものの)次、休憩だよね。」
    ここで開演前に集めたお客さんからの質問に答えます。
    Q. 創作活動の風景は?
    A. 家の窓から富士山が見える。曲は家でしか作らない。レコーディングでの
       必需品はマンガとゲームボーイ。
    Q. 夏の思い出は?
    A. プールが好きだった。アブが出たら水に潜るのが得意。
    Q. 人生の目標は?
    A. 引っ越すこと。家にスタジオを作ること。出不精なので家で仕事をしたい。
    Q. 好きなファッションのショップやブランドは?
    A. 今日の服(ストライプ地で、セーラー服のような襟や赤いネクタイのイラストの
       書かれているもの)では街を歩けない。よく行く店(?)は原宿フラワー。
 7. 心の扉
    この曲からサポート無し。この曲も力が入っています。
 MC 質問への回答の続き。質問の書かれた紙の好きな曲の項目に「流れ星をつかめ」と
    書かれている点(サチコさんの曲には無いこと)を指摘すると、それを聞いていた
    客席から「それ私の歌」と声が上がります。その声の主はjunior sizeさん。
    Q. 手相占いは信じる?
    A. ちゃんと占ってもらったことは無い。以前、占い師に「今年中は努力」と
       言われた。
    Q. 曲作りの時の様子は?
    A. ノードエレクトロを寝転がって使いたいので、ベッドの上に置いて、その上に
       いろいろと置いていたら、カップラーメンの跡が残っていて、マネージャーに
       怒られた。くつろぎながら曲作りしている。
    Q. 最近見た夢は?
    A. 秋田で、高校生のサチコさんが自転車通学している。同級生の設定のSHUUBIさん
       が出てきて、普通に「東京から自転車で来たの?」という会話をしていた。
       「子供ができた」「私も欲しいの」と答えている…という内容だった。
       なぜSHUUBIさんが夢に出てきたのかはよくわからない。
   「次は、“女の人は強い”と思う曲。」
 8. 嫌いになってください
    この曲はきっと、感情を押し殺して唄うべきなのでしょうね、特に前半。
 MC サポートメンバー再登場。紹介しつつ、自分の時には「クラリネット」と紹介。
    クラリネットを取り出して演奏したのは「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマでした。
    思った以上にしっかりと演奏しています。最後まで演奏し終わると、ビックリ
    したように「あっ!」と声をあげていました。「成功してしまって失敗した…」と、
    本人もうまく演奏できてビックリだったようで。
 9. あの日のこと
    打ち込みのリズムも入り、ポップな雰囲気になります。
10. 虹と夕日と
    アレンジなど興味深いものがありました。
 MC 「CDになっていない曲を。」
11. 僕の場所
    この曲のもつエネルギーはすごい。胸に秘めている不安感とか悩みとか、そんな
    もやもやした得体の知れない気持ちが表面化する瞬間、楽曲として大きな広がりを
    感じます。
12. 赤い魚
    前半の方は少し印象が弱かったかも。
 MC 「2周年記念で、こんなに集まってくれてありがとうございます。振り返ってみて
    出会った人の多いこと…。」
13. 宿題
14. カレンダー
    お客さんの顔を一人一人確認するかのように見つめながら、語りかけるように
    唄います。
 MC 「“サチあれば楽あり2003〜伊藤サチコ音楽に感謝するの巻〜”」
    「音楽を続けていきたいと思った今日でした。」
    今年中にアルバムを出す、と宣言がありました。
15. さようなら、木
    要所要所で唄うという、この曲。

20:21頃本編終了。アンコールになります。

 MC 「アンコールありがとうございます。集まってくれた皆さんに本当にお礼を
    言っています。」「次のアルバムはビックリするくらいの問題作にしたい」
    「唄えて嬉しい。サポートメンバーの体温も感じられるし、お客さんも身近に
    感じられるし。」
E1. 尊敬する君へ
    ちょっと涙ぐみながら。

 “音楽に感謝する”というテーマ通り、その気持ちがよく伝わるライブでした。 歌詞はもちろんですが、アレンジであったりメロディーのフレーズであったり、 言いたいことや思っていることを音楽として表現できていることがよくわかります。 MCなどで言葉として話すのはあまり上手じゃないかもしれないけれど、 音楽ではとても饒舌で、音の一つ一つに込められたサチコさんの強い想いがよく 表れています。伊藤サチコさんにとって音楽は空気のような存在なのかもしれません。 気に留めなくてもいつも自分の周りにあって、心の振動が音楽を通して聴いている人に 伝わる…そんな唄でした。何かのために唄うということではなく、自分を表現する形が 唄なのだ、という迫力がありました。
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copyright かみと,2003