矢野絢子さんのライブをキリスト品川教会グローリアチャペルで見てきました。 会場には虫の音が流れ、柔らかな青緑色の照明で客席が照らされています。 ステージ中央にグランドピアノが置かれ、教会らしくステージ後ろには大きな 十字架と荘厳なほどのパイプオルガンのパイプが見えます。 会場内にアナウンスが流れますが、年配と思われる男性の声というだけでも珍しい 上に、妙にゆっくりとした口調で「光り物は禁止です」などと言っていて、 苦笑と摩訶不思議な雰囲気が漂います。やがて開演。

 1. “緑の風の歌…”(ア・カペラ)
    センターのマイクの前に立ってのア・カペラです。
 2. 坊や
    やや高音域が苦しそう。ピアノに加えブルースハープも吹きながらの演奏。
 3. “いまいましい…”
    ある意味、ロック色の濃い曲。
 4. 闇の現
    この曲から史香さん(Vn)が入ります。左手はきっちりとテンポをキープしつつ、
    右手はまるで無関係な連符を刻んでいます。黒いマントの衣装のカメラマンたちが
    蠢くようにしてステージで撮影していました。演出っぽい感じもありましたが、
    やっぱり邪魔だったような。
 5. ゼンマイ仕掛け
    ステージ下方から照らされたスポットライトで、大きな影がステージ後ろに
    浮かび上がり、まるで影絵を見ているようでした。
 6. 夕闇
    この曲から比較的穏やかな雰囲気になります。ただ、ボーカルはだんだん
    フラット気味になってきていることが目立ってきました。
 7. (Instrumental)
 MC 「ようこそ。昨日1stアルバム『ナイルの一滴』がリリースされました。
    すごくいい作品です。私が唄ってます。」「人の眉間に雨漏りが1滴1滴
    規則正しく落ち続けると気が狂うらしいです。私は憶えていないんですけど、
    皆さんも憶えていないでしょうか。どうせならスプーン1杯のお水をすくって」
 8. ひとさじ
    史香さんのコーラスも入ります。
 9. 嘘つきの最期
    ピアノの縁を叩いてリズムを刻んでいました。
10. “街は北風にその身をさらし…”
    靴音(歌詞に合わせればブーツ)に合わせて史香さんが移動し、絢子さんの後ろに
    立って演奏していました。
11. わかれ
    Vnのサポートはここまで。おもむろに絢子さんはセンターへ移動。
12. “色のない箱の中で…”
    この曲からGtVoになります。ストローク中心ですが、多少危なっかしい。
13. “あなたがどんなに哀しくても…”
    さらにもう1曲、ギター+ブルースハープで唄います。
 MC 「今日は皆さん来てくれてありがとう。まいったか!」

本編終了。アンコールになります。絢子さん一人で登場。

E1. かなしみと呼ばれる人生のやさしさよ
    PfVo。再びカメラがステージ上に上がっていました。
 MC 「ありがと。」史香さんを紹介して呼び込みます。
E2. てろてろ
    Vnのサポートあり。

二人でステージのセンター付近に移動し、拍手が鳴り止むのを待ってお辞儀。
最後に「あばよ!」と言い放って終演となりました。

 前半はダイナミックな構成で、中盤以降は比較的しっとりとした柔らかさを 感じさせるライブでした。度肝を抜くような激しいピアノ、静かに流れるピアノ、 意外だったギターなど、かなり変化に富んだ内容で、お客さんも固唾をのんで 「何が起こるのだろう」という高揚感にあふれていたような感じでした。 なんといっても、前半の歌から伝わってくるメッセージには力強いものがありました。
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copyright かみと,2004