いとうゆうこさんの出演するライブを渋谷7th FLOORで見てきました。 "Perfect day Vol.2"というイベントで、2004年1月19日に行われた イベントの第2回になります。会場に入ると、前よりも若くなったのではないか と思えるような姿のいとうゆうこさんがいて、「来たねぇ」と言ってニヤッと 笑っていました。

○Yumiko
  Key(女)のサポート。
 1. 命
 2. すべてを受け入れて
 3. 幸せの種
 4. Remember
 5. Bright Lights
 6. 蘇生
 7. Bird
  素直なメロディーのポップス系。ウィスパーボイスかと思えば、力強い唄い方をする
  ところもあったりするのですが、全体的にむらのあるような印象の方が強い唄でした。
  サポートの演奏も音数が少なく(平均2音くらい)頼りない感じ。ゴスペルを唄っていた
  ことがあるという話をしていましたが、ゴスペルっぽさはあまりありませんでした。
  「幸せの種」のメロディーなど、シンプルできれいなものでした。

○Yuka
  BaNaNa P@iのボーカルのYukaさん。サポートはPf、Bs(女)。Bsはロザリオスなどで
  活動しているTokieさん。
 1. “その時が来たら…”
 2. 大切な友達
 3. “最後のかけら…”
 4. 楽しみなこと
 5. こうた(?)
 6. 色あせないもの
 7. 幸せの形
  Yumikoさんから一転して、パワフルなボーカリストのYukaさん。安定感のある
  せつなさと力強さの同居した唄で、聴き応えのあるものでした。1,2曲目など、
  ボーカルの力を余すところなくはっきりしていたと思います。

○Dachiko
  Pf,Bs,Dr,Gtのサポート。
 1. “地上の星…”
 2. 友からの手紙
 3. うちへ帰ろう
 4. You're the only one
 5. 願い
 6. デスペラード(イーグルス)
 7. もう一度夜をとめて(崎谷健次郎)
 8. ハニー
 9. 会いたくて
10. この世界が続くように
  前回の"Perfect day"以来のライブだったようです。無難な内容で、唄の力を
  感じさせるものでした。「デスペラード」のサビなどなめらかで、しみじみ
  うまいと思わされます。以前見たときはもう少しインパクトがあったように
  思うのですが、今回はYukaさんのパワーが強烈過ぎました。

○いとうゆうこ
  入口の出演者名は"Lovely jazz club band"となっていました。
 MC 「"Parfect day Vol.2"、Vol.2ができたので、これからは"Perfect days"に
    します。最初は"Perfect days"のテーマソングにしたいと思っている曲。」
    「"いとうゆうこ"という方がしっくりくる人と、"Yu-Yu-"の方がしっくりくる人と、
    半々くらいかな、なんて思います。選曲も"いとうゆうこ"の頃と"Yu-Yu-"の頃の曲で
    ごっちゃごちゃになってしまいましたが…。」
 1. “いいかげんに適当に素直に素敵にわがままに完璧の問題ない…”
    ミュージカルに出たときの1つの曲らしい。雄叫びのように唄い始めます。
    後半は歌詞が付いていましたが、ループしています。
 MC 「全部すべては自分の見方で、自分の人生は成り立っているんだっていう、そんな
    気がします。あの人のことが嫌いとか、そういうことを考えてストーリーを作って
    いるのは、この私。どこまでが真実か、思い込みかはわからない。」
    「7年前くらいかな、曲を作ってもらって歌詞を付けた曲。7年前にも同じことを
    考えていた…ふと思い出したので唄ってみたいと思います。」
    かつてのいとうゆうこさんのように一瞬眼光鋭くなり、口調も当時を思い出させます。
    少し客観的に見ているところが変わった点でしょうか。
 2. 羊飼いの唄
    懐かしさよりも、今もまだ息づいている存在感のある唄でした。力強さは以前と
    変わりありません。
 MC Rough Diamondsで作ったCDについて。「その頃は人生投げやりで、河野さんに
    お任せしていたけれど、出来上がったCDにえらく感動しまして。愛情深く作って
    くれたと、聴いたときは泣きそうになるくらい感動した記憶があるんですけど。
    一緒にやっている人の愛情が詰まっているものとそうでないものは、ぜんぜん違うと
    わかるようになりました。愛情がこもっているかこもっていないかは、すごい大事。」
 3. Blue
    穏やかに流れるようなメロディーに、淡々と告げるような歌詞が乗っています。
 4. Minimum
    前半は粘性のある、まとわり付くような唄い方をしていました。サビでは無情に
    突き放すような唄い方になっています。
 MC 「ミュージカルで唄わせてもらった曲で、私のテーマソングにして良いといわれたので、
    家でお風呂に入りながら何十回も唄っているんですけど、今日はふた回しくらいで。」
 5. “喋らんぞ、解釈せん…”(ア・カペラ)
    他人のことに左右されずにリラックスしようという曲。まさにゆったりと湯船に
    浸かっているような、そんなのんびりした唄い方でした。
 MC この曲の解説。
    「実はこの曲もお風呂の中で作った曲です。」
 6. 路地裏のカラス
    またこの曲を生で聴けるとは思いませんでした。じわじわと水が染み込んでいく
    ように、言葉一つ一つが沁み込んできます。
 MC 「次はCDを出していた頃の最後のシングルですけど、ある人と唄い続ける約束を
    したので今日も唄いたいと思います。」
 7. 星のかけら
    昨今の天災や異常気象などのことを思わずにはいられないのですが、この曲は
    まだ今よりも先のことを問題にしている気がしてなりません。
 MC メンバー紹介。東順二さん(Bs)、佐々木聡作さん(Key)、河野道生さん(Dr)。
    ミュージカルのときに作った曲を。
 8. “ラブリーなジャズを唄う猫…”
    曲自体はポップだと思うのですが、いとうゆうこさんにかかるとシャンソンとか
    ブルースのように感じてしまいます。猫のしぐさの振り付けまでありました。
  最近ミュージカルに出ていたという話は知りませんでしたが、メジャーデビューの
  頃から現在までの変遷がわかるようなライブでした。1998年デビューだったので、
  もうすぐ丸7年になるのか、と思いつつも、かつての曲の鮮烈さは変わりません。
  力強さとやわらかさをうまく使い分けたボーカルで、いとうゆうこさんらしい。
  “いとうゆうこさんの音楽は時代に早すぎた”と思うことがあるのですが、
  生と死とか愛と憎しみとか喜びとか悲しみとか、それらのさまざまな人間らしい
  感情をすべて忠実に表現する人は、今でもなかなかいないことを考えると、まだ
  時代は彼女に追いついていないのかもしれません。
  …これであと「がんじがらめ」があれば、もっと強烈な選曲だったんですけどね。

 19:30開演、23時過ぎに終演という長いライブでした。
SAIL Music Laboratoryへ戻る
copyright かみと,2004