渋谷クラブクアトロでジムノペディのワンマンライブを見てきました。 “不埒な食タッグツアー”とアンケート用紙には書かれていましたので、 他のライブを絡めたツアーの一つでもあるようです。客席はスタンディングで 9割以上埋まっていて、身動き取れない程ではないにせよ、かなりの盛況ぶり。 (私が普段行くライブに比べ)女性客が多いことにも気付きます。 畔上さん(Key)と相良さん(Gt)が抜けて、新生ジムノペディがどうなっているのか 気掛かりな人も多かったのかもしれません。で、今回はKey(女),Gtのサポートに なっています。19:10頃開演。メンバーが登場すると、サポートの二人を含め、 「これから何が起こるのか興味津々という雰囲気が客席を包んでいました。

 MC 「不埒な食卓へようこそ。」
 1. 不埒な食卓への前奏曲
 2. ヒメゴト花火
 MC 「今晩は、ジムノペディです。どうぞ最後まで楽しんでいってください。」
 3. 花オルゴール
 4. 主従関係
 5. 片道キャンドル
 MC 「2回目のワンマンへようこそいらっしゃいました。前回のワンマンのときと
    違っているところがあります。」ここでサポートの二人を紹介。
    笹沢早織さん(Key)、西広樹さん(Gt)。
    「いろんな人に助けていただいて、ワンマンにこぎつけたのが本心です。
    気合いだけでここまで持ってきたので、ちょこちょこミスするかもしれませんが、
    味ですから。」
 6. 夜感リサイタル
 7. 恋は喜劇
 8. アコーディオン、あげる
 9. 13
 MC 「ジムノペディに入って丸3年になります。初めて合わせたときは『こんなに
    つまらないなら続けられない』と思ったけれど、“山のてっぺん”にいると
    気分佳くなるので、始めて3回目くらいから楽しくなりました。」
    「昨日の夜、歌詞を書き取りしてみました。「夜感リサイタル」を書いてみました。
    曲を渡されたときはメロディーのオブラートに包まれていたので、やらしい
    感じはしなかったけれど、書き取ってみたら…。私、どんな風に唄っているのか
    と思ったら…こんなでしょう。リーダーに言ったら『俺、作ったから』って。
    『ナオミちゃんをイメージして最初に作った曲だ』って。」
    「いつもどおりと思っていることも新たな発見があります。書き取りによって
    気付きました。」
10. ままごと初夜
11. 恋じかけのワルツ
12. ウタカタ
    曲の最後に「私、タバコやめましたから」のセリフ付き。
 MC 「もうそろそろお別れの時間が近付いて参りました。タバコやめたのは本当です。
    誕生日が近くなると風邪をひくので、やめろということかと毎年思っていて。
    何もかも思い通りにならないなら、やめられるものからやめようと思って。」
    サポートの二人について。「短期間で数えられるくらいしか合わせていなくて、
    しかもうちは譜面がないので耳コピして。」「(初舞台がワンマンになって
    しまったけれど)ワンマン終わったら、あとは大丈夫だから。」
13. スタッカート

20:21頃でした。アンコールになり5分ほどしてメンバーが登場。
 MC 「ただいま。」「(再登場に時間がかかったのは)綾子ちゃんがTシャツを着替えて
    いたから」ということでしたが、最初から着ていたとのこと。ここで今回から
    発売になったグッズの紹介。永長さんがモデルになってTシャツを見せています。
    メンバーデザインではないから高くなったとか、色が増えたから高くなった、
    と話していました。
E1. やっと、ひとくち
 MC 「本当にラストだぜ」
E2. トレモロ

 前半はナオミさんの声が軽めに感じられて、Key,Gtも音がかたい感じでした。 「主従関係」では永長さんがうまく音を引っ張っていっている気がしました。 「夜感リサイタル」はボーカルが揺れ気味。「アコーディオン、あげる」あたりから、 うまくまとまりが出てきた感じでした。「ままごと初夜」のGtは丸すぎるかも。 「やっと、ひとくち」でのナオミさんの低音域は今までになくしっかりしていました。
 全体的には「なんとかこぎつけた」という言葉が、そのままを表すような感じ でした。演奏上の余裕とか予想外の展開といったものは皆無で、短期間で仕上げた 全てであることが伝わってきます。今後新曲ができてくると、新生ジムノペディの形が はっきり見えてくるように思います。
 どうしてもサポートメンバーの音が気になってしまうのは仕方がないところ。 これまでのジムノペディが腐りかけているくらい完熟していたとするなら、 今回のライブはまだまだ青さを感じさせるものでした。それはサポートの二人が 慣れていないことや、その二人が合わせやすいように導こうとしていること などが感じられたからかもしれません。言ってみれば基本通り道路の真ん中を 歩いているような無難さがありました。それでも耳コピで短期間に追いつこうとした 二人の努力はわかります。ジムノペディは音的にもどんどん変わっていく バンドなので(譜面が無いのも納得です)、どこかの時点の音を完全に 耳コピするよりも、ニュアンスと言うか思想、魂のようなものを受け継いで もらいたいところですね。これまで何度もジムノペディには良い意味で 裏切られ続けてきましたから。耳馴染みとなっている基本のフレーズであっても どんどん変えていって良いと思いますし。 ぱっと見た感じ、新メンバーとして加入することも問題ないと思いますね。
 以前のジムノペディは、ナオミさん、小林さんの官能的なところ、畔上さん、 相良さんの狂気的なところ、その両方を支える冷静で強固な川崎さん、永長さん というようなバランスだったように思えてきました。たとえばナオミさんの唄に 麻痺している間に、畔上さんの演奏で自分を傷付け、川崎さんの音で夢ではないと 気付かされる、といったような。そう考えるとサポートの二人は、畔上さん、 相良さんに比べ狂気的なエネルギーが抑え込まれていたように感じます。 きっちりとフレーズを再現しようとした、という意識によって外枠ができて しまったような気がします。言い方を変えれば、ミュージシャンとアーティストの 違いを感じたりして。少なくともツアーに関してはこの二人がサポートするよう ですが、今後正式メンバーとなるのであれば、独創性(個性とかカラーでも同様の 意味になりますが)が発揮できるかがポイントとなりそうです。
 今回のMCはいつものセリフ調ではなく、普段(それほど知っているわけでは ありませんが)の口調に近いものでした。当然テンション高めでしたけど。 ニコニコしゃべられると、何だか妙な気まずさがあったりしますけど。 今頃になって「歌詞がいやらしい」と言い出したナオミさんには笑ってしまいました。

今回から発売されていたグッズはTシャツ・黒(\2,500-)、Tシャツ・ストーン(\2,000-) ストラップ(\800-)、フェイスタオル(\1,000-)。
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copyright かみと,2005