佐賀市交流センターエスプラッツホールで行われた“癒し楽し大吉vol.13 歌姫祭” というイベントを見てきました。九州で活動する13組以上の女性アーティストや 女性ボーカルのユニットなどが集まるということで、こういう機会でないと なかなか佐賀に行くこともありません。
 佐賀に着いたのは昼前でしたが、かなり閑散とした街という印象で、駅ビルの中は それなりに人がいるけれど、土曜日なのに駅前の通りにはほとんど人がいません。 もしかすると繁華街はどこか別のところにあるのだろうか、とも思いましたが、 それにしてもテナント募集している空スペースがたくさんあるところでした。 会場の佐賀市交流センターに向かう途中にあったアーケード街も閑散としていて、 ほとんどがシャッターを下ろしています。会場は3階でしたが、1,2階の ファッションビルだったと思われるスペースは既に営業していませんでした (たぶんこれがエスプラッツという名前でホール名に名残があるということかも)。 開場時刻までは早かったこともあり、行くところがなくなってしまい、城跡の方まで 行ったり駅まで戻ったりしていました。
 3階のスペースは淡水魚が泳ぐたくさんの水槽があったりして、そこそこ時間を 潰せたのですが、予定時刻の14:30から45分遅れで開場した頃にはすっかり 待ちくたびれてしまいました。開演は15:30の予定でしたが、その時間に始まる わけもありません。
 エスプラッツホールはキャパ200とのことですが、用意されていた席は70ほどだった と思います。その席に対しお客さんは6〜7割ほど。司会はトミー富岡さん。 よくわかりませんが、3人のコメンテーターもいました。押しまくっているので早速 始まるかと思いきや、いきなりおばさんのマジックショー、演歌、フラダンスが 始まりました。来る場所を間違えたのでは?と後悔しつつ耐えていると、続いて コメンテーターの1人だった げんいちろうさん のトーキングドラム叩き語り。 半ばコミックソングでした。さらに後悔の思いを強くしていた16時頃に本編スタート。

○ララ乃杏
  ららのあんずさん。KeyVo。佐賀出身とのこと。
 1. ???
 2. “目の前に広がる…”
 3. “ドアを叩く音…”
 4. “ただありふれた言葉を並べて…”
 5. 私と一緒に
  赤縁の眼鏡をかけてうつむきがちに唄っていました。風邪とのことでしたが、
  声はややハスキーであまり出ていません。演奏も単調な感じ。ペダルの放し方が
  雑なのが気になったりします。旦那さんがGtでサポートする予定だったそうですが
  一人でのステージになったことも影響しているのかも。楽曲は20年くらい前の
  フォークといった傾向で、若干ブルースが入っています。ブルース色を強く出して
  いった方が似合っている気がしました。

○あかね
  カラオケで唄います。
 1. 僕らの道
 2. 金色の翼
  若い人のようです。やや鼻にかかった声で張ると良い感じもありますが、
  声そのものはそれほど特徴があるわけではありません。鈴木亜美さんとかhiroさん
  といった雰囲気を思わせる声でした。なんだか普通のカラオケを聴いている感じ。
  もう少し唄に滑らかさが欲しいところですね。

○本田三和子
  カラオケで唄います。
 1. Birthday Eve(倖田來未)
 2. 願い(カバー)
 3. ラニーハニー(?)
    唯一のオリジナル曲だそうですが、タイトルは聞き違えたかも。
  彼女も若い人。高音域は音のとり方が甘いのですが、中音域が良い感じです。
  声はやや太めの丸い感じ。ファルセットに引っ掛けて逃がすような癖のある唄い方が
  かなり気になりました。

○Tomo
  カラオケ。大人っぽい雰囲気です。佐賀の人とのこと。
 1. “ねぇ交わした約束、今も憶えてる…”
 2. You
 3. 君のそばで
  R&B系が入った曲でバラードを得意としているのかもしれません。ファルセットは
  弱いのですが、高音域に切なさのある声が良い感じ。MISIAさんとか伊沢麻未さん
  とかを思わせるところがありますが、フェイクは自分のものになっていない
  印象でした。

○ikumi
  カラオケ。沖縄出身で普段は福岡で活動しているとのこと。
 1. 愛のため
  話し方や雰囲気がmyu:さんを思わせます。昔の岡本真夜さんみたいな唄い方でした。
  唄は安定しています。

○白岩京子
  カラオケ。福岡の人とのこと。
 1. 浅い眠り(?)
 2. 電話
  やや太めの声でキーも低め。でも低音域の発音ははっきりしていなくて、高音域の
  方が魅力的でした。東京ならなんとなく四谷天窓あたりに似合いそうな印象でした
  (同じようなレベル、という意味も含め)。

○7's☆pafe
  Key(女),Bs,Dr,Vo(女),Gt。Keyはサポートのようです。福岡のバンド。
 1. Happy Rainbow Happy Drive
 2. ムーンネバーランド
 3. あいつ
  ボーカルは軽めのハスキーボイスで、ストレートな唄い方。わかりやすいポップスは
  JUDY AND MARY系とも言えるかも。東京だったらルイード辺りに出ていそうなバンド
  という印象でした。ボーカルが前面にでるようなバックの演奏もポップさを増して
  いると思います。オリジナル曲が4曲しかないということで、始まったばかりの
  バンドかと思ったら、最後の曲は石井学生服(?)のCMソングになっているとか。
  ボーカルは鹿児島出身だそうです。

○Bottom
  GtCho,Vo(女),Gtの福岡のフォーク系バンド。
 1. Game
 2. 冬の贈り物
 3. 逆境
 4. chocolat
 5. メロディ
  ややR&Bっぽいところもありますが、基本はフォークからブルースといった路線。
  ツインボーカルのようなバランスにしても良いかもしれません。ボーカルは素直な
  唄い方の2,4曲目とこもったような唄い方の1,3曲目というように、曲によって
  印象が若干違いました。素直な唄い方の方が良いと思います。雰囲気は
  いきものがかりに近いかも。

○さかもとあさみ
  GtVo。
 1. “暗闇に…”
 2. Lost tomorrow
 3. この場所で…
  マイナーフォーク系。声はあまりはっきりしません。ギターのチューニングが
  あまく、結構間違えていましたが、ライブはまだ10回目で活動を始めて半年だとか。
  やや太めの声質は悪くないと思いますが、声は不安定なところがあります。
  投げやりな退廃的な唄い方は楽曲に合っていました。池田綾子さんの低音域に
  似ているかも。

○Yellow Tail
  女性ボーカルのソロ。カラオケです。福岡で活動しているとのこと。
 1. アウトロー(?)
 2. ランドスケープ
  吉田美和さんを軽くしたような雰囲気で、AORを思わせる楽曲でした。歌唱力や
  表現力はそれなりにあって、カラオケ大会などでに出ていそうなタイプでした。
  調べてみたら、RKBの音楽番組「Momo-Can Do!」のオーディションで見出されたとの
  ことで、妙に納得。

○blanc chaine
  Vo,Gtの女性二人で、紹介ではビジュアル系とのことでした。日曜日の原宿駅前に
  集まっている人たちの中のお姫様ファッション系の人たちのようなスタイル。
  ファッションのテーマは天使なのだそうで、ライブも“天使降臨”と呼んでいる
  そうです。唄い方はいかにもビジュアル系ロックが好きそうな癖のあるものでした。
  声質は松本伊代さんのような感じ。

○まさきえりか
  眞崎恵里香さん。崎は山偏に竒のようです。GtVo。佐賀出身で、現在は長崎の大学に
  行っているとのこと。
 1. 帰り道
 2. プライベート
 3. ABLE
 4. アイヲ
 5. 星の唄
  ブルース系を中心とした曲で、唄い方はそれなりに形になっています。演奏は
  まだ不安定で、やろうとしていることはわかるけれども技術が追いついていない
  印象でした。かなりの部分で佐藤歩さんの路線と重なっている気がしますね。

○とむ&じぇりー
  朱音(わだあかね)さん(Vo)、SORAさん(Gt)のユニットで、今回のゲスト扱い。
  NHK「オンエアバトル」やテレビ朝日系「ストリートファイターズ」でおなじみの
  鹿児島の朱音さんです。(22歳?)
 1. 神様が言ったこと
 2. D-BREAK
 3. いちごフラッペ
 4. 通り雨
 5. 水玉ウォッチ
 6. はぴばすで
  何度かテレビで見かけていて、一度聴いてみたいと思っていたところでした。
  軽めのハスキーボイスは佐藤聖子さんを思わせますね。思ったよりも声量が
  足りない印象はありますが、唄っている姿などはさまになっています。テレビ向き
  と言えるのかもしれません。唄そのものはきっちりとしていて、二人のバランスも
  良い感じでした。

○華月祥
  Gt,Bs,Dr,Gtのサポート。GtはMCのトミー富岡さんです。
  ポップロックからアイドルロック系といった感じ。
 1. easy time
 2. 裏。
 3. Peterpan
 4. 姫君
 5. With Smile
  まだ若いのですが、結構音楽歴は長いようです。かつての伊藤さやかさんなどを
  思わせる路線で、なんとなくZONEを連想させるところがあります。
  やや太めの声質で力強く唄っていますが、高音域が弱めで出ていないのが物足りない
  ところ。落ち着いてくるとさらによくなりそうな気がします。

 終了予定時刻の21時を過ぎてしまい、あわただしく撤収作業が行われていましたが、 10分伸びただけだったのはちょっとした驚きでした。
 コメンテーターの二人が客席で演奏中に話をしていたのが耳障り。何で こんな人たちが…という理由はトミー富岡さんの代理ということだったようで、 後半にはこの二人が司会をしていました。
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copyright かみと,2006