「TANK!」3月号
インタビューの場所として指定されたあるホテルのティーラウンジに彼女はいた。
ほっそりとした身体とこぼれんばかりの大きな瞳。「スミマセン、前の取材が長引
いてお待たせしました」と礼儀正しい挨拶。少女マンガに出てくるお嬢さまのヒロ
インみたい。いわゆるいまどきの女の子とはちょっと違う。昨年の10/21「どんな
強い風の中でも」でデビュー。11/21に1stアルバム『STAY DIAMOND』をリリースした。
「17歳の時、カラオケのコンテストに軽い気持ちで出場したら、審査員の中に今の
社長の伊藤薫さんがいらっしゃって、そこで声をかけられたのがデビューのきっか
けなんです」。
伊藤氏は作詞、作曲家として、またプロデューサーとして多くの作品を手掛けて
きた。今回のアルバムでもいくつかの楽曲を提供し、プロデューサーとしても参加
している。
「クラシック・ピアノを3歳の時から習っていて、弾き語りで歌うのが好きだった
んです。でも、人前で歌うなんて文化祭くらい。アーティストなんて憧れだけで…」。
(ちなみに昨年デビューした“風来坊”とは、何と同じ高校だったとか。さぞかし
文化祭は盛り上がったことだろうね。)
しかし、スカウトの後、トントン拍子でレコーディングへ。「レッスンもしなかっ
たんですよ(笑)」と彼女。すると横からマネージャー女史が「彼女がコンテストに
出た時から、社長に『いい子がいるから』って聞かされていたんです。それで東京
でデモテープを作ろうということになった時に、レッスンをして変わった色をつけ
るよりは、ヴォーカルはこのままでいこうということで…」。伸びのあるヴォーカ
ルだが、一方でたおやかな女性らしさも覗かせる。これが19歳の彼女のヴォーカル
とは驚き。まるでもっと円熟した女性が歌っているかのようだ。
「レコーディングは知らないことばかりで楽しかったですね。そうそう、びっくり
したのは夜から始めること。『夜も仕事をするんだ』って驚いたり(笑)」。
その頃は学校に通いながら東京にあるスタジオに行っていたという頑張り屋さん。
今も山梨にある自宅に住み、活動を続ける。あの大きな瞳の奥には強い意志が秘め
られていたのだ。デビュー・シングルのカップリング曲「ACROSS MY MEMORIES
〜季節の向こう〜」が、学生スキーヤーのラウンドクロス・コンテストのテーマ・
ソングに選ばれた。彼女の歌声はスキー場だけでなく街でもよく耳にすることだろう。
(11/18 インタビュー)
小林清美へ戻る